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 MPコース(第2次選抜2日目)

 小論文の問題例(例1:行列の性質〔数学系〕)



[出題意図]
 (1), (2) では, 問題文の日本語で与えられている条件を正確に読み取れるか, また実例に適用して必要なデータを得るための手続きを精確に実行できるかが問われている。(3) では, 問題文で与えられた実例のほかに, 状況を検討するために適切な実例を挙げ検証することができるかと, これから総合的に想像力を働かせて背後の数理現象としてどのような構造を洞察することができるかが問われている。問題解決能力とともに, 普段の学習において興味深い数理現象を発見的に検証する習慣ができているか, また自らの考察を順序良く明確に表現することができるかが記述式解答の中に自ずと現れることを期待している。


[問題に対する考え方]
 (1), (2) については, 問題文の条件から行列A の各成分が1行目と2行目のデータから帰納的に決定されていること, およびその手続きを正確に把握することが出来ることが要求される。3行目以降の各成分は, すぐ上の2行を2次元ベクトルの系列として左から読んだときに, 問題の成分の真上に位置している2次元ベクトルに至るまでにそれ自身も含めて同じものが何回現れているかをカウントしてその登場回数を記したものである。よって行列A

 1行目:1,2,3,4,5,4,3,2,1
 2行目:5,4,3,2,1,2,3,4,5
 3行目:1,1,1,1,1,2,2,2,2
 4行目:1,1,1,1,1,1,1,1,1
 5行目:1,2,3,4,5,1,2,3,4
 6行目:1,1,1,1,1,2,2,2,2
 7行目:1,1,1,1,1,1,1,1,1

...のように生成されていく。しばらく根気良く生成していけば3行目以下が周期3で繰り返すことに気づくであろう。
 (3) では(2) で得た現象「3行目以下が周期3で繰り返す」が普遍的な現象なのか, それとも1行目と2行目のデータの与え方で変化するのか, といった問題意識でさまざまな数値例での実験が可能であろう。ここで, 状況を分析するためにどのような実験や推理が提案されるか, というところに受験生の数学的センスと探求力が試される。またプレゼンテーションのため自らの推理に適切な表現を与える習慣が普段の学習でついているかが課題であろう。最終的に一般的な仮設とそれに対する論証が与えられれば大変素晴らしいが, 限られた試験時間でそこまで達成する受験生はごく稀であろう。むしろ問題に対するアプローチのユニークさ, 堅実さ,あるいは大胆さなど受験生の個性が反映する様々な側面での良さが現れた答案が期待される。

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