在 校 生 の 声     


“とことん”やりたい


佐藤 緑

 MPコースは学部学科を超えた履修が可能だという点でとても魅力的でした。高校生の頃これから数学に進もうか、生物に進もうか、とても迷っていました。小学校6年生の時に算数の学習を通して“わかる”ということを経験してから算数に興味を持ち始め、中学・高校では数学が大好きになりました。ただ、決して得意ではなかったため、多くの先生から「大学の数学はこれまでの数学とは大分違うから、今の感じをイメージしていくとかなりしんどいかもしれないよ。」と、同じようなアドバイスをいただいたため、気持ちが揺らぎました。「一回体験してから考えることができたらいいのに。どんなことがやれるのか、まだほとんど知らないうちに、将来の専門を決めて大学に入学しなければならないのだろうか。」と疑問に思っていました。やがて高校生物で遺伝子についての学習が始まり、あらゆる生命の生産される仕組みが共通している、というところにとても興味を惹かれました。そんな状況で私はMPコースの存在を知ったのです。それはまだ高校2年生の時で、まだ1期生が入学する前のことでしたが、MPコースに挑戦しようと決めました。

 合格が決まってから「数学も生物も両方同時に学ぶことができる」というのが嬉しくて、私の目指すことについてよく考えるようになりました。そんな時、ふと、この世界のあらゆるものの形は丁寧にみると、いくつかの単純な形が複雑に組み合わさっているだけで、しかもその単純な形は幾何学的に数学で表せるものばかりなのではないかと考えました。私は将来、数学で様々な図形や曲線の性質を学びつつ生物で遺伝子の勉強を続け、その関係を探っていきたいと思いました。

 しかし、今は当時の思いとは少し異なっています。私は広く学びたい、いろいろな経験をしたいという気持ちをとても強く持っています。そのため大学1年目は学部をたくさん横断して履修しました。理学部、農学部、薬学部、教育学部、法学部などです。気になる分野、興味のある分野の授業に実際に出たりシンポジウムに参加したりして、思った以上に自分の持っていたイメージとのギャップが大きかったことに驚きました。私はいろいろ体験してみて「今は全力で数学を志したい、とことんやりたい」と強く思っています。

 数学をやるという選択は私にとって大きな決意が必要でした。わからなくて、しんどくなるときがきっとくると思ったからです。しかし、私は決心できました。それはMPコースの同級生たちが、それぞれの夢に向かって少しずつ歩みつつある姿を、日々見て感じていたからだと思います。これからもお互いに高めあい、支えあってともに頑張っていきたいです。

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