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マッチングプログラムコース 令和元年度卒業生のみなさまへ

誠に残念ながら新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から令和2年3月25日に予定していましたマッチングプログラムコース学位記伝達式を中止することにいたしました。
代わりに本コース責任学部長並びに教育部長及び教育部教員一同からの祝辞を掲載いたします。

 

祝辞

マッチングプログラムコース令和元年度ご卒業の皆さま

ご卒業おめでとうございます。

 はじめに、今年は新型コロナウィルスによる感染症の蔓延という思いもかけない事態で、せっかくの学位記授与式が中止となり、みなさんが一堂に揃った晴れ姿を目にする機会を持つことができず、心より残念に思っております。

 みなさんが在籍し、この度ご卒業される岡山大学マッチングプログラムコースは、ご承知の通り、既存の学部・学科とは一味違った教育プログラムです。みなさんは、この、ある意味特殊なコースを選び、学問の道を自ら切り拓いてきた、フロンティア精神に富んだ精鋭です。今回の事態も、例年の卒業生には決してできなかった類い稀な経験ができたと前向きに捉え、大学生活を締めくくる印象深い思い出として心に留めていただければと思います。

 一般に大学は、学生も教員も、同じ分野を志す者が学部・学科という一つところに集まって、学究に勤しむ場です。それに対し、マッチングプログラムコースは「学際的な教育を基礎としてそれぞれの進むべき道を自ら探求する」という命題を共通項とする集団であり、必然的に研究の場、研究のテーマはこれ以上ないくらい広範なものとなることは、みなさんの課題研究発表を見ても一目瞭然だと思います。このようなマッチングプログラムコースで、コース学生としてのまとまりを見失う事なく、さらに、課題研究でお世話になったゼミ・研究室では、その学部・学科に所属する人たちとも交流を持ち、切磋琢磨しつつ自らの学問を修めてきた経験は、今後、社会を構成し、社会を動かす一員として様々な分野で活躍するみなさんにとって、かけがえのない経験であったはずです。現時点ではそのような意識は薄いかもしれませんが、将来、それぞれの活躍の場で障害や難問に直面した時には、必ずや、岡山大学マッチングプログラムコースでの経験が生きてくると確信しています。

 マッチングプログラムコースでみなさんがこれまで学問を修められてきたのは、みなさんの努力に加え、この、一見捉えどころのない教育コースにみなさんを快く送り込み、生活を支えてくださったご家族、課題研究をご指導くださった先生方、さらには、みなさんが希望する分野の研究を遂行できるように支えてくださったアドバイザーや担任などの先生方と事務の方々のサポートがあったからこそです。これらの方々への感謝の念を忘れずにいてください。また、学問分野の垣根がどんどん取り払われている現在、みなさんのような人材は、ある意味時代を先取りするパイオニアであると言えます。みなさんがマッチングプログラムコース学生として過ごすのは本日限りですが、マッチングプログラムコース卒業生という立場は一生続きます。これまで、多くの先輩方がみなさんと同じように、様々な分野での学問を修めつつもマッチングプログラムコース卒業生という一つのアイデンティティを共有して、巣立ち、社会で活躍されています。みなさんも来月からはその仲間入りをされます。サポートへの感謝とパイオニアとしての気概を胸に、それぞれの立場で活躍されることを切に願います。

 最後に、ご承知の通りマッチングプログラムコースはあと数年のうちに最後の卒業生を送り出すことになります。しかし、この岡山大学独自の「自らの学問分野を自ら切り拓く」教育プログラムの精神は、後輩にあたるグローバル・ディスカバリー・プログラムにバトンを渡すことにより継承されていきます。みなさんの活躍は、マッチングプログラムコースというアイデンティティを形成するとともに、彼ら、彼女ら後輩への範ともなり、プログラムの精神を連綿とつないでいく原動力となります。どうぞ、みなさんがそれぞれの道で、十分実力を発揮して、自らの道を切り拓いて行かれますよう、心より祈念し、お祝いの言葉とさせていただきます。

    令和2年3月25日

          マッチングプログラムコース責任学部・理学部長  富岡 憲治
          マッチングプログラムコース教育部長       阿保 達彦
          マッチングプログラムコース教育部        教員一同

 

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