2月から3月にかけてオーストラリアのアデレード大学で行なわれた5週間の語学研修に参加した3人のMPコース学生がそれぞれ体験を語り、質問を受けました。発表と質問の一部は英語で行なわれました。9名の教員と約30名の学生が参加しました。
木下 恵
小島 史也
吉田 光佑
参加者の様子
学生の自発的な提案によって初めて開催され、9名の教員と約35名の学生が参加しました。MPコースの上級生が今まで授業を履修してきた経験上の助言や注意点を後輩に伝えたり、学習上の疑問点等を教員に直接質問し、有用な情報の共有を図りました。今後、半期に1度、開催することになりました。
この賞は,第2年次を終了した学生のうちから成績優秀者に授与し,マッチングプログラム(MP)コースにおける教育の充実・発展と学生の学習意欲を高めることを目的としています。平成18年に発足したMPコースは,今年初めて第1期学生が第2年次終了の時期を迎えましたので,第1回目の受賞者として,中原,二木両名を選出いたしました。
授賞式は,5月12日に岡山大学本部棟第2会議室において,12時10分より執り行われ,佐藤副学長より,中原,二木両名に表彰状が授与されました。
中原 千鶴
二木 佑実子
発足3年目を迎えたマッチングプログラム(MP)コースは,今回,第2年次終了時優秀者賞にふさわしい受賞者2名を出すことができました。MPコースに携わってきた1人として大変うれしく,また,誇らしく感じています。MPコースでは,入学の段階から自分の目標を定め,その領域を中心に履修することもできますし,また,幅広く履修しながら自分にふさわしい専門領域を見つけていくことも可能です。今回受賞した2人は,この二つのパターンの典型を示してくれたと理解しています。2人とその仲間,さらにはMPコース(組織)の今後一層の成長を楽しみにしています。
後列左より 田村学務企画課長 小島教育部長 加瀬責任学部 理学部長
前田MPコース担当専門職員 今西教務第一係長
前列左より 中原 佐藤副学長 二木
この2日・・・
中国山地からわずかに離れて雄大にそびえる大山で1泊2日の学外研修が行われました。1、2年生を中心に3年生までが参加、交流を深めることもできました。講義を聴きくだけでなく、実際に植物園や大山散策など大山の自然に触れ、充実した2日を過ごしました。
鳥取花回廊
最初に行ったのは、鳥取花回廊です。私たちを出迎えてくれた色とりどりの花やピロロ、ポロロたちは、夜になれば輝きをその身にまといます。
中央にある温室、フラワードームには熱帯・亜熱帯の植物がたくさん植えられています。
しばらく歩くと「花の丘」にでます。
素晴らしい!!
花回廊の中でも最高だったのは、この「花の丘」でした。なだらかに広がる10,000㎡の広大な花畑は「素晴らしい」の一言です。今度は夏や秋の景色も見てみたいものです。
鳥取花回廊では植物のことに詳しくない人でも、さまざまなきれいな景色とのどかな雰囲気を満喫することができると思います。
大山自然歴史館
日本海からの風と太平洋から渡ってくる風に挟まれ、北と南の植物が大山では共生しています。ブナの広がる裾野の林、冬になれば雪に埋もれる大山山頂付近の植物は横に広がり成長します。
大山自然歴史館では係員の方に鎌倉、江戸を経て明治の廃仏棄釈をこえて今に至る大山寺の歴史も教えていただきました。長い歴史をもつ大山寺ですが、宗教の違いによって僧兵の争いが絶えず、歴史的文化財が大変少ないと聞いたときには残念でなりませんでした。文化は大切に後世につないでいきたいものです。
自由行動では、大山寺への山道を楽しみながらの参拝をしました。大きなブナの木や杉が並ぶ大山寺の参道のきついこと・・・。山にまたがる大山寺のせいだと思いたいところでしたが、残念ながら走って登る青年や珍しい蝶がいると茂みに進んでいく先生を見れば私の体力がなかったからのようです。MPコースには体力も必要です。
大山研修所
大山研修所。私達が宿泊した合宿所です。ここではまず、物理学のプレゼンテーションが行われました。パーコレーションと磁気性の関係など、専門性の高い分野をわかりやすく解説していただきました。
また、学生が最近感じること等を自由に発表することになり、環境問題に関する興味深い話からゴールデンウィーク中の旅の話まで、様々なテーマで自由に発表が行われ、私たちは最後まで楽しく聞いていました。
夕・朝食も、教員も含めた全員揃って食堂で、雑談を交えておいしくいただきました。ご飯・味噌汁がおかわり自由で、ここぞとばかりに何度も盛りに行く人もいました。
中国自然遊歩道
前年の大山登山とはメニューを変えて、私たちは川床から一向平まで約8.9キロの距離を歩きました。
登山道には坂のきつい道や細い道、ぬかるみやゴツゴツした岩などがあり大変な道のりでした。そこを少年のように虫取り網を持って駆け回る青年や疲れをまぎらわせているかのごとく歌いながら歩いている人たち、サンダルで登山をした大変無謀な青年もいました。
道中は主に大自然を感じさせる緑や茶といった色の世界でした。しかし、ところどころに現れる、赤や紫、白、ピンク、黄といった花たちが私たちの心を和ませてくれました。前日に大山自然歴史館で教えていただいた花々にお目にかかることもできました。知識と合致するものが発見できたときはちょっとした達成感のようなものが得られてうれしいものです。また荘厳な大山滝があり、そこの水場に足をつけた時の気持ち良さといったら疲れも吹っ飛びます。
そして終盤には高い、ものすごく高いつり橋があり、高所が苦手な私は途中で立ち止まって動けなくなりました。つづいてそのつり橋を渡り切るとすぐに心臓破りの階段が眼前に立ちはだかります。最後の最後でキタ!!!!!という感じになります。途中まで段数を数えていたのですが・・・残念ながら必死で忘れました。そこを登り切った達成感・充実感それはもう言葉にできません。
さらに進むと天然のターザンロープがありました。「アーアァ~」と叫びながら木から木へ飛び移っていた人たちもいました。
ゴールしたときはみんなクタクタで、中には仰向けになっている人もいたほどです。 自然に触れ学び、仲間たちと励まし合い、歩ききったことで達成感・充実感を味わい、人間的にも大きく成長できたと思います。来年は登山でしょうか。
マッチングプロクラムコース2年次に在学中の小林祐梨子さんが、2008年6月29日の陸上日本選手権女子5000メートルで15分11秒97で初優勝し、初の五輪代表を決めました。
千葉大学長と握手する小林さん
<試合日程>
女子陸上競技5000メートル 国家体育場(愛称「鳥巣」)
予選 8月19日(火曜日)
決勝 8月22日(金曜日)
MPコース教育部長 小島正明
「人生に無駄な経験は、ない」- 私の好きな言葉です-
小林祐梨子さんを見ていると、多くの人にとっては耐え難いと思われる経験をも、すべてプラスの方向に転じていることがわかります。決して自分の夢を見失うことはありません。
MPコース2年生(小林さんの同級生)が作った受験生向けの今年のMPコース紹介ポスターは、一番上に「それぞれの夢へ」と書いてあり、その下に2年生16人全員が、それぞれ違った教科書を持って立っています。写真の下には「同じコースなのに、みんな違う教科書?」と疑問を投げかけ、さらにその下に理由が書いてあります。「MPコースでは、ひとりひとりの目標に合わせた科目履修をおこなっています。文系でも、理系でも、自分の興味のあることならなんでも。興味のある分野はそれぞれ違っているので、私たちはみんな、違う教科書を持っています。」
ポスターの中で小林さんが持っている教科書が「大学での微分積分学II」と知ったら皆さんは驚くでしょうか。この教科書こそが、小林さんがMPコースで学んでいる理由を示しています。そうです。数学の教師になることが小林さんのもう一つの夢なのです。
MPコースに対しては、今でも多くの誤解があります。その中の一つに「スポーツ推薦枠があるのではないか」というものがあります。そんな質問をする人には、私は、小林さんの入学試験の成績を示したい思いに駆られます。入学後は、定期試験が近づいてくると、休日のMPルーム(教室兼学習室)で、数学をともに学んでいる同級生と一緒に勉強をしている姿を見かけることがあります。
オリンピック出場が決まった日の夜、MPルームに、「祝 ゆりチャン 五輪出場決定 おめでとう!!!」と大きなはり紙が出ているのを見つけ私はうれしくなりました。小林さんとその仲間達がそれぞれの夢に向かって進んで行くのを楽しみに見守っていきたいと思っています。
小林さん 暑い北京の夏を いっそう熱く、燃え上がらせてください。
7月7日(月)北京オリンピック出場記念シンポジウムが開催されました。
花束贈呈
寄せ書きをするMP学生
スポーツ教育センター(MPコース教育部) 鈴木久雄
小林祐梨子さんが岡山大学に入学する際、学長のコメントは「小林さんはあくまでも一人の大学生であり、特別扱いはしません。」でした。オリンピック出場が決まった現在でも同様に言われます。
先日、増田明美さん(スポーツジャーナリスト)に岡山大学(NHK大学セミナー)で講演をしてもらいました。講演前にあいさつに伺うと、まず言われたのは「小林さんは合宿ですか?」です。私が「授業を受けていますが」と言うと、「え?」そして「そうですよね。大学生ですものね」と。小林さんは実業団にも所属していることから、当然、オリンピック最終予選の前ですので合宿に行っているものと思われたのでしょう。同じようなことは、多くの人に聞かれます。「小林さんは大学に来ているの?」と。岡大生ですから、授業を受けなければ単位は取れないし、逆にどうしてたずねるのでしょうと聞き返したくなります。増田さんの講演では、小林さんにも触れ、今後陸上界に大きく影響を与える人と言われていました。そのくらい力が感じられるということでしょう。
小林さんに対する岡山大学の対応は一般学生と同じですが、世間やマスコミは普通の大学生と違う扱いを受けていると思っているようです。しかし、小林さんは毎日大学に来て、普通に授業を受け、普通に練習をし、オリンピックに出場します。これらのことがマスコミに徐々に伝わり、現在は「スーパー女子大生」と言われたようになったと思います。小林さんにとって普通が、世間では普通ではないようです。
小林さんは大学では数学と英語を中心に勉強する女子大生で、数学の教員が将来の夢の一つです。大学を離れればオリンピック選手ですので、確かにスーパー女子大生でしょう。しかし、岡山大学では、もちろんマッチングプログラムコースでも一般学生として扱われています。同級生、友達もみな同じスタンスです。このような環境が小林さんも落ち着いて学生生活をおくれるのでしょう。これからも特別視をしない、されない大学生でいてもらいます。試合と授業が重なっても、陸上競技が不利益になっても、一般学生とは同様に特別なことはしません。
北京オリンピックでは、国際性を高めるチャンスです。日頃の練習の成果を発揮し、ぜひ楽しんで来てほしいと思っています。また、オリンピックで走っている姿を思い浮かべると、今からわくわくします。身近にスーパー女子大生がいて本当に幸せです。これで本当に北京オリンピックが楽しみになりました。
前期試験も頑張ってください。
7月10日(木)桃太郎スタジアムで公開練習を行いました。
ウオーミングアップ中(OKAYAMA UNIV. の文字とサングラスに映ったトラックに注目)
練習の前のインタビュー光景
跳ぶような美しいフォームの走り
目標に向けたトップアスリートのまなざし
8月19日(火曜日)女子陸上競技5000メートル予選が行われました。
「北京の熱い一夜」 MPコース教育部長 小島正明
「いける!」「コバヤシ、もう一人抜け!!」
ラスト1周で小林祐梨子さんが前を走っていた選手を1人抜き16人中の7位に浮上したところで隣の席の鈴木久雄先生(スポーツ教育センター)は絶叫した。しかし、残念ながらそのままの順位(7位)でゴールし、自動的に決勝に進むことができる6位以内に入ることはできなかった。また、予選の7位以下のタイム上位者3人も決勝に進むことができるが、小林さんが走った1組は遅いレース運びだったため、わずか0.75秒差で決勝進出を逃した。
決勝進出が果たせなかったのは残念ではあるが、今後の成長が十分に期待できるレースであった。4年後のロンドンオリンピックが今から楽しみである。
小林さん、私たちに夢を与えてくれてありがとう!!
グラウンドに登場した小林祐梨子さん。8月19日(火)19時30分(現地時間)
陸上競技会場の国家スタジアム(通称「鳥の巣」)
陸上女子5,000メートル競技予選の開始を 知らせる電光掲示
ゼッケン2200の小林さんは 予選第1組(16人出場)の第1コース (電光表示は中国語のみ)
緊張をほぐす
スタート
快走する小林さん
集団の中を走る小林さん
大観客の前を走る選手達
1659番(小林さんの右)が世界記録を 持つエチオピアのディババ選手 (予選1組の1位、決勝でも優勝)
小林さんは7位 (6位のアメリカの選手との差はわずか0.75秒)
競技後の国家スタジアム
当日、岡山大学では・・・
テレビ観戦で小林さんを応援しました。
11月29日(土曜日)午後に平成21年度入試合格者に対する入学前教育などの説明会が開かれました。
合格者は、入学前教育の意義や重要性の説明を受けた後、入学前英語学習の指導、読書指導などを受けました。
また、希望する分野毎に、教員からの個別の聞き取り調査がありました。
マッチングプログラムコース3期生 濱崎 壮
皆さん、合格おめでとうございます。受験の緊張から解放され、ほっとした気分だと思います。こんな時期ですので、気抜けして風邪など引かぬようお気を付けください。
さて、これでいよいよ岡山大学マッチングプログラムコースの学生となられるわけですが、やはり中学や高校とは全く違った「大学」という環境に、多かれ少なかれ戸惑いや不安を感じているのではないかと思います。そんなとき、ぜひ我々に気軽に相談してきてください。少々頼りない先輩ではあるかもしれませんが、マッチングプログラムコース学生として色々教えられることがあると思います。本コースは、ご存じのとおり、1学年16人程度と少人数です。よって、同学年同士の「横」のつながりだけでなく、先輩後輩の「縦」のつながりが強くもてます。これは、学生生活上の大きな利点だと考えています。どうぞ、単位のこと、テストのこと、学生生活のこと、バイトのこと、興味のあることや好きなゲームのことなど、なんでも気軽に話してください。我々一同、皆さんとの交流を楽しみにしています。
あともうひとつ、入学前教育について少しだけ述べたいと思います。皆さんはこれから隔週レポートを提出することになります。正直、緊張からの解放感から「めんどくさいな」と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、学生の立場としての私からも、一生懸命取り組むことを強くお勧めします。これは、もちろん学力の低下を防ぐという目的は大前提ですが、私が言っているのはそれだけではありません。真面目にしたか否かで、大学入学後、勉強の取り組みやすさが随分違ってきます。「学ぶ」という習慣が身体に染み付いているかそうでないかは、集中力に確実に影響してきます。というのも、私が真面目に入学前教育をしていなかった張本人で、入学後後悔したという、苦い体験を経ての意見ですので、ぜひ反面教師にしていただきたいと思います。
皆さんは4期生です。つまり、創成期マッチングプログラムコースのメンバーです。まだ出来たての新しいマッチングプログラムコース。我々がともに盛り上げていきましょう。
自分の体験をもとに入学前教育の意義などを語る濱崎さん (各合格者の前に積み上げられた教材に注目 )
合格者の他、MPコース関連の教員、職員、MPコース在学生なども多数、参加しました。
1/7、8の二日間,Department of Chemistry and Biochemistry,University ofArkansas(アメリカ/アーカンソー大学/化学・生化学部)のJoshua Sakon准教授を講師に招いて特別セミナーを行いました。
セミナーの内容は,1)生化学に関する基礎的な講義を英語で行うもの,2)高校時代からアメリカで生活しているSakon先生の学生生活の思い出を交えた,アメリカの高校,大学,大学院の学生の生活の紹介,及びアーカンソー大学やFayetteville(大学所在地)の紹介,3)生物学に関する基礎的な講義を英語で行うもの,4)プレゼンテーション演習,5)自由討論,の5部からなり,多くの参加者を得て活発な討論も行われました。広く世界に目を向けるきっかけになってくれたのではないでしょうか。
Sakon先生曰く,英語に限らずなんでも上達するためにはいろいろcommunityに積極的に飛び込んで行くことだそうです。
Joshua Sakon准教授